離職率が低い社員数10名の会社の研修のお話し

当社が毎年研修を行っている会社があります。
そこの会社は社員数10名の会社です。

 

依頼されるようになったきっかけですが、
研修とは全く関係がない
ある日の社長との会話からでした。

 

社長は「うちの社員はみんな良い社員なんだけど、
恥ずかしながら社会人としての一般的な常識が少し欠けている。
そのためそれを身につけてもらいたい」とのことでした。

 

そこの会社は職人さんがメインの会社です。
社長は「職人だから、自分の仕事（技術）が上達さえすればいい
という考えは持ってほしくない。
職人も社会人としての常識を身につけてもらいたい。」
との考えでした。

 

その後、社長はこう言いました。
「たとえうちを辞めたとしても、
うちで身につけたものを他社で生かしてほしい」
とのことでした。

 

若い方が多い会社です。
若い時に身につけたものは一生のスキルになります。
社長はそこまで社員のことを考えているんだと思い、
私は感動し、何としてもお役に立ちたいと思いました。

 

「一般の新人研修で取り上げる内容よりも
より基本的なもの、『基本のキホン』難しくないもの」
が社長からの依頼でした。

 

そして社長も一緒に参加した初めての研修は終わりました。
社長は途中来客があり席を外したので、
私は研修終了後挨拶をすることができませんでした。

 

夕方社長から電話がありました。
「今日は研修ありがとうございました。
頼んで良かったです。社員の行動が変わりました。」
お礼の電話でした。

 

研修講師をしていて一番うれしい瞬間です。

私もうれしかったのですが
社長に伝えなければいけないことを話しました。

 

「社長ありがとうございます。
ただ残念なことに人間は忘れる生き物です。
研修が終わった時がMAXでできるのですが段々忘れてしまうのです。
なので日々振り返りが必要なので振り返るような習慣を作りましょう。」
と話しました。

 

それから毎年、社員数は10名の会社ですが年1回様々なテーマで研修をしています。
研修というと目標設定研修など難しいものを思い浮かべるかもしれませんが、
こちらの会社はそうではありません。
今年は「自分はこんなにすごいんだ」と自信を持ってもらうような
依頼がありましたのでパーソナルに関する研修をしました。

 

毎年の研修のテーマには
社長の社員に対する思いが反映されています。

 

この会社は離職率が非常に低く、
10人ということもありますが
本当のアットホームな会社です。
社長の思いが社員に伝わっているんだといつも思います。