ハラスメント社内相談窓口における被害者への対応について
2024/02/26
新潟で社員研修の講師をしております
飛躍の一歩の本間武です。
2月18日のブログで
社員からハラスメントの相談があった時は、
このハラスメント社内相談窓口がどのように機能しているかにより、
その後問題が大きくなるか、
解決に向かうか全く異なる状況になるというお話をしました。
前回のケースは
どこの会社でも起こり得る話だと思います。
今回は前回の続きで、
前回の対応のどこに問題があったのか、
どうすれば問題を防ぐことができたのかについて検討してみます。
内容については前回のブログを
見ていただければ幸いです。
まずはハラスメント社内相談窓口でのヒアリングについて見てみましょう。
この担当者Dは話を聞くという点では、
社内相談窓口の目的である「事実の聞き取り」については、
徹していたので問題はなかったと思います。
ここでのポイントは
話を聞いている途中で
自分の意見や考えを述べたり、
ハラスメントの該当の有無を
判断する場ではないということです。
では問題となった部分はどこでしょうか。
「本人の様子や話の内容から
緊急を要するものではないと判断した」ところにあります。
ここで欠けていたことは
相談者Bの希望の聞き取りです。
例え緊急を要しないと判断しても、
社内のハラスメント相談窓口に来ているのですから
相談者Bは何かしらの対応を求めているはずです。
それを「本人の様子や話の内容」だけで
「緊急性がない。問題ではない。」
と担当者Dが考えたところに問題がありました。
緊急性や問題の有無は被害者がどう考えるかであり、
被害者Bの希望を踏まえたうえで今後の対応をしていくことになります。
今回はヒアリングが終わった時点で
相談者Bは何を望むのかを
確認する必要がありました。
例えば、「行為者Cには言わないでほしい」、
「周囲へのヒアリングはしないでほしい」
「行為者Cへの処分を望む」
「調査までは望まない」などにより対応が変わります。
今回のケースではこれを確認していないため
相談者Bは「何もしてくれない」と思い、
担当者Dは相談者が何も言ってこないので
「特に問題が生じていない」と思い、
両者の考えにずれが生じてしまいました。
例えば相談者Bが調査を望む場合は、
どこまでやるかを含め会社Aが動くことにより、
相談者Bにとっては、
会社は真剣に対応してくれたと思うかもしれません。
調査までは望まないとしても、
研修等によりハラスメント防止が周知されることにより
安心を得るかもしれません。
一番の問題は特に問題なしと思い込み
何もしないことになります。
次回は行為者Cへの対応における問題について考えてみます。
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